環境省からの委託事業として平成21年度より実施。廃食用油から生成する新しい軽油代替のバイオ燃料であるバイオディーゼル燃料の製造・貯蔵・自動車利用に係る技術的課題とその対応策について調査・研究を行っている。

目的と背景

 京都市では,平成8年より,使用済みてんぷら油をバイオディーゼル燃料する廃食用油燃料化事業に取組んできた。事業開始時に発生した燃料フィルターや噴射ポンプなどに技術的な課題は,国内初のバイオディーゼル燃料規格として,平成14年に策定した「京都スタンダード」での品質管理により,解決してきた。
 しかし,自動車排ガス規制の強化により,新型車両には,排ガス後処理装置が装備されており,高品質なバイオディーゼル燃料であっても,軽油と沸点や熱量が違う特性を持った燃料であることに起因すると想定される技術的な課題の対応策を早急に調査・研究する必要が生じている。
 本事業では、廃食用油を原料とする高濃度バイオディーゼル燃料の貯蔵・保管に伴う燃料性状の変化ならびに混合燃料製造への影響、給油設備への長期的な影響を把握し、高濃度バイオディーゼル燃料の流通・供給過程での安定・安全性確保の要件や留意事項を明らかにして、バイオディーゼル燃料高濃度利用システムの構築・提案を目指す。また、モデル事業として、高濃度燃料混合施設および供給拠点を京都市内に確保し、新型ディーゼル車を含むパッカー車での高濃度バイオディーゼル燃料の利用を実車走行試験により実証し、安全性・経済性など、事業性を確保するための要件や留意事項を明らかにして、バイオディーゼル燃料高濃度利用事業の実現ならびに普及を目指す。

調査研究内容

調査研究の概要(ポイント)は下図に示すとおりである。(画像をクリックすると別画面にて拡大表示します)

調査研究結果の概要

 平成22年度の調査では、高濃度バイオ燃料の長期保管をした際の1ヵ年間のB100燃料性状の各種条件下での変化を明らかにした。その結果、1年間という長期保管時には、バイオ燃料に抗酸化剤を添加し、ドラム缶のように空気との接触を極力少なくできる環境下で貯蔵すれば、燃料の酸化劣化は抑えられることがわかった。また、B100の各種設備(給油スタンド等)への影響調査では、いずれも良好な結果が出ている。車両影響調査については、とりわけDPF装置がついた新長期排ガス規制車両についての問題点を明らかにし、その問題によりもたらされる過度のエンジンオイル交換を抑えるための方策としてひとつの解決策を提示することができた。
 これらの調査研究結果を踏まえ、平成23年度は、B20の貯蔵安定性や燃料性状の変化を明らかにするとともに、今までの調査で課題となっている燃料貯蔵時のトラブル発生の原因究明や新長期排ガス規制車両のオイルダイリューションの検討と合わせてバイオディーゼル混合軽油の環境性能を測定、高濃度バイオ燃料の燃料品質管理手法の確立及び設備・車両の維持管理指針の策定と実用的な高濃度燃料利用事業の提案を行う予定である。