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  2. 調査研究結果(平成24年度)

研究実証の結果の概要

 燃料化技術については、廃食用油、パーム油などの植物油を対象に、各種燃料化条件による接触分解・水素化実験と燃料の成分分析・燃料特性分析した結果、生成したバイオ燃料は、第一世代バイオ燃料(FAME)と比べて酸化安定性や沸点(蒸留曲線)などが大きく改善され、軽油に近い性状であった。また、車両適合性試験(材料試験)を実施した結果、燃料の劣化特性、材料への影響は軽油と同等程度であった。
 なお、燃料収率、酸化・熱安定性の更なる向上やアロマ成分の低減化など、今後、最適燃料化への取り組みを継続する必要があることも明らかになった。
 多様な原料の利用可能量や地域回収事業化モデルについて、国内外の情報も含め把握し、京都市での回収モデルとして2つの方式案(『スーパー等の店舗を活用した回収方式』と『学校等のコミュニティ拠点を活用した回収方式』)を策定した。
以下に、各実証研究毎の結果の概要を示す。

(1)第二世代バイオディーゼル燃料化技術と車両への円滑利用システムの開発
 燃料化技術については、廃食用油、パーム油などの植物油を対象に、各種燃料化条件による接触分解・水素化実験と燃料の成分分析・燃料特性分析した結果、①触媒の長寿命化【300時間以上】の達成した。②分解油の水素改質条件として、Ni系触媒で1MPaG以下の低圧条件で、バイオ燃料中のオレフィン濃度は1%以下となることが確認できた。③燃料特性の酸化安定性や沸点(蒸留曲線)などは第一世代バイオ燃料(FAME)と比べて安定性が飛躍的に向上し、軽油に近い性状であった。
 一方、③接触分解で得られる分解油の化学構造は、パラフィン系炭化水素だけでなく、芳香族系 (アロマ)の約30%前後含有やケトン類などが含まれることが明らかになった。④軽油留分収率約55%前後や反応残渣約20%前後の結果で、燃料化の収率向上も今後の課題であり、最終目標に向け、最適燃料化に向けた継続的な取組が必要であることが明らかとなった。

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(2)第二世代バイオディーゼル燃料の車両適合性に関する実証研究
 今回供試されたバイオ燃料では、①劣化挙動確認試験により、燃料の炭素数分布、セタン指数、有機酸生成(ランシマット試験)などは軽油とほぼ同等の燃料特性であることが確認された。②酸化防止剤の添加により、バイオ燃料の酸化安定性改善効果が確認された。③材料浸漬試験(金属表面X線分析、金属溶出分析含む)により、各種金属、ゴム部材への影響は軽油と同等程度であることが確認された。④燃料の劣化加速試験による燃料変色は、軽油より顕著であることが明らかになった。

(3)バイオディーゼル燃料利活用普及拡大システムの実証研究
 京都市での家庭系廃食用油の賦存量は年間約1千tと推定され、回収率は2割程度にとどまっている。また,動物油脂については、食肉市場(京都市中央卸売市場第二市場)からの食肉残渣が約1.5千t,京都市魚アラリサイクルセンターからの魚油が約0.5千tと推定された。アンケート調査、ヒアリング調査を実施し、廃食用油回収の取組状況及び課題を分析した結果、京都市での回収率を高めるためには、『回収拠点』(市民の利便性)と『動機づけ』が重要であることを整理した。行政担当者、地域活動家の意見を踏まえ、有望な回収事業化モデルとして、『スーパー等の店舗を活用した回収方式』(店舗での回収頻度の拡大、ペットボトルでの回収による利便性の向上を狙う)と『学校等のコミュニティ拠点を活用した回収方式』(ペットボトルでの回収の他、専用容器での回収を予定。学校での実施により環境教育との連携を図り、動機づけを高めることを狙う)の2方式を策定した。

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