1. HOME >
  2. 調査研究結果(平成25年度)

研究実証の結果の概要

 ①燃料化技術については、昨年度の課題を踏まえて、反応器の加熱方式やキャリアガスの導入、更には、連続水素化などの燃料化設備機能の改善・強化を行い、廃食用油やラードなどの動植物油を対象に、燃料化実験と燃料の成分分析・燃料特性分析を実施した結果、燃料化収率の向上や、品質面では、第一世代バイオ燃料(FAME)と比べて安定性などが飛躍的に向上し、軽油に近い性状であった。 また、②車両適合性試験では、材料試験により、各種金属、ゴム部材への影響は軽油と同等程度であることを確認すると共に、エンジンベンチによる全負荷性能、エンジンベンチによる全負荷性能や排ガス試験などを実施した結果、軽油と遜色のないエンジン性能や排ガス性能であった。更に、③多様な原料の利用可能量や地域回収事業化モデルについて、国内外の情報や京都市での2方式によるモデル回収実験の実施などにより、従来の拠点回収に加えて、店舗や学校などのコミュニティ拠点を活用した回収方式の有効性を確認した。LCA評価では、環境影響領域としては地球温暖化、都市域大気汚染、化石燃料消費を対象に実施し、第二世代バイオ燃料(バイオ軽油)の優位性を示すと共に、バウンダリー設定や重要要因などについての予備的検討も実施した。
以下に、各実証研究毎の結果の概要を示す。

(1)第二世代バイオディーゼル燃料化技術と車両への円滑利用システムの開発
 燃料化技術については、反応器の加熱方式や温度の最適化、キャリアガス導入、更には、連続式水素化などの燃料化プロセス機能の改善・強化などにより、①触媒の長寿命化500時間以上の達成、②燃料化収率は理論収率で約85%と5%向上すると共に反応残渣も残渣率が10%程度まで低減化、③動植物油混合原料による燃料化の確認、④水素改質条件として、Ni系触媒で1MPaG以下の低圧条件で、オレフィン濃度1%以下を達成。また、燃料品質の酸化安定性や沸点(蒸留曲線)などは第一世代バイオディーゼル燃料(FAME)と比べて安定性が向上し、軽油に近い性状であった。なお、アロマ成分の低減など、今後とも、一層の最適燃料化への継続的な取組を実施する。

(画像をクリックすると別画面にて拡大表示します)

(2)第二世代バイオディーゼル燃料の車両適合性に関する実証研究
 今年度供試のバイオ燃料は、①燃料特性として、セタン指数、酸化安定性、ガム状物質生成、潤滑性などで軽油とほぼ同等の特性を確認。なお、アロマ含有量は約10%高かった。②酸化防止剤の添加による酸化安定性改善効果を確認。③材料浸漬試験により、各種金属、ゴム部材への影響は軽油と同等程度を確認。④エンジンベンチ試験(全負荷性能、排ガス試験など)を実施した結果、軽油と遜色のないエンジン性能と排ガス性能であった。なお、正規測定箇所ではないが、エンジン出口(触媒処理前)では、軽油に比べてPMの排出増加(約0.2g/kwh)傾向があった。

(画像をクリックすると別画面にて拡大表示します)

(3)バイオディーゼル燃料利活用普及拡大システムの実証研究
 「商業施設での回収モデル」(スーパー2箇所)と「学校での回収モデル」(小学校2校)について、回収実験を行い、回収量・品質の確認をすると共に、アンケート調査等により、回収システムの効果と課題を把握した(店舗回収は利便性が高い方式であるが、回収後のペットボトルの処理の問題などが課題であることなど)。また、第二世代バイオディーゼル燃料システムの評価に適したLCA・経済性の分析手法(バウンダリー、評価項目等)を吟味し、温室効果ガスと都市大気汚染からみた第二世代バイオディーゼル燃料のLCAについて検討するとともに、LCAと経済性評価の総合的な論点について検討を行い、経済性の改善、CO2削減効果の向上ための重要要因の抽出等を行った。更に、本格的な燃料製造システムの構築に向けて、生ごみなどのバイオガス化との組み合わせによる水素・熱電供給を含めた地産地消型の本格的な燃料化の総合システムの予備的検討を行い、LCAによるCO2削減効果や経済性を向上する上で、水素・熱電供給との連携が重要な要因となることを確認した。

(画像をクリックすると別画面にて拡大表示します)