─ ガス化メタノール合成技術を活用した森林バイオマス資源のカスケード利用システムの事業化調査 ─

各種バイオマス変換技術を活用して、多様なバイオマスを生み出す農林業の活性化(6次産業化)と低炭素社会の構築などを目指す農水省の「緑と水の環境技術革命プロジェクト事業」に採択され、ガス化メタノール合成技術を活用した森林バイオマス資源のカスケード利用システムの事業化調査を、(株)タクマ、(株)三菱総合研究所、当財団の3者コンソーシアム体制にて行った。

目的と背景

 京都市は地球温暖化防止京都会議(COP3)の開催都市であり、地球温暖化防止や循環型社会の構築に向けカーボンニュートラルなバイオマスの利活用に取組んできた。特に、廃食用油のバイオディーゼル燃料化事業や生ごみなどのバイオガス化実証事業は平成9年から全国に先駆けて取組んできた。また木質系バイオマスについても、京都市は市域の4分の3が森林であることから、2007 (平成19) 年から3ヶ年に渡り、環境省の温暖化対策技術開発事業を受託し、木質系バイオマスのガス化メタノール合成技術の研究開発に取り組んできた。
 これらの技術開発成果を事業化に結び付け、農林業の活性化や低炭素社会の構築することを目指して、「ガス化メタノール合成技術を活用した森林バイオマス資源のカスケード利用システムの事業化調査」を実施した。

調査研究内容

調査研究の概要(ポイント)は下図に示すとおりである。(画像をクリックすると別画面にて拡大表示します)

調査研究結果の概要

 調査研究の結果、ガス化メタノール合成技術を活用した森林バイオマス資源のカスケード利用システムの事業化の可能性については、@供給原料として間伐材や剪定枝などに加えて、成長性の高い短期成長木の導入や都市部の循環資源である廃木材の融合利活用、A既存の木質ペレット施設との複合化、Bバイオメタノールを利用した農村型燃料電池の活用などの総合的な取り組みにより、森林バイオマス資源を活用したシステムの事業は可能であることが明らかになると共に、農山村地域の活性化と低炭素社会の構築に向けたバイオマス利活用の将来モデル(下図参照)を提案することができた。
 これらの調査研究結果を踏まえ、今後、モデル実証研究事業に取り組んで行く予定である。

(図2)画像をクリックすると別画面にて拡大表示します

※森林バイオマス資源カスケード利用事業検討委員会及びワーキング委員に、学識経験者のみならず、民間企業・林業関係者・行政など幅広い分野から多くの参画を得られたことを感謝いたします。